Nursing Support for No Lifting (NSNL)
Japanese Nursing Support 日本にも抱えない 介助方法を広めよう(No Lift)
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No Lift Policy とは?

2003年春、私は10ヶ月の語学留学目的でオーストラリアに渡った。それは、インドやアフリカなど発展途上国に看護師として行きたいと思うも まったく英語が話せなかったからだ。しかし、その滞在目的が病院を訪問し看護師さんと話しているうちに、オーストラリアの看護労働環境をもっと知りたいと変化し2005年フリンダース大学に編入しこちらの看護免許を取得した。

私が、患者さんを抱えない移乗方法を初めて見たのは2003年の語学学校時代に訪れた病院であった。しかし、この時は「患者さんを荷物みたいに運んで・・・」「文化が違う。」で終り・・・たいして気にも留めなかった。その後ナーシングホーム(老人施設)でアルバイトした時に「No Lift Policy」*1のトレーニングを受けて、初めてこの「No Lift Policy」が患者さんの安全と看護師の健康のために普及されているものだと知った。また、自分で使ってみて使いやすいこと、仕事後の疲れが日本とはまったく違うことは感じていた・・・が、それでも私は、日本で働いた経験から日本には関係のない無理な話だと思い、重要視していなかった。

*1 No Lift Policy
1998年3月に、オーストラリアのオーストラリア看護連盟(Australia Nursing Federation:ANF)ビクトリア支部で正式に採用された「人力のみによって患者さんを移乗することを禁止した指針」である。


NLP ( No Lift Policy ) が必要な理由

こんな私が、この「No Lift Policy」をぜひ日本に伝えようと思ったのは、2006年オーストラリア看護連盟(Australia Nursing Federation:ANF)のJeanette氏にインタビューしてからだ。彼女に「看護師が 第2の患者になってはいけない。また看護師も人であり、人として健康でいられないというのは基本的人権を侵害されていると感じなければいけない。資格を持つあなたたちの健康が守られていないとすると、病院で働くほかの人たち(掃除・営繕など)はどうなってしまうの?!」と苦言され、オーストラリアも労働環境が少しずつよい方向に変わってきたという歴史を聞き、日本も変わらなければ・・・と思い この「No Lift Policy」を日本に伝えたいと思うようになった。

「No Lift Policy」というたった1つの「移乗行為に対する指針」であるが、これを通して“看護師が声を上げることの大切さ”を知った。誰もが患者やその家族になる可能性を持っている現代、私達看護師は、看護のプロとして、自分達の環境が看護を受ける側の患者さんにも影響することを理解し、声を上げていかなければいけない。何も変わらないとあきらめるのではなく、一団と成れば、物事を変えられるだけの人数がいることに私達は気付くべき時がきていると私は強く思っている。

患者さんが数10年前まで「患者の権利を知らなかった」のと同じように、日本の看護師は「自分の権利」を知らないだけだ。「患者の権利」がここまで根づいたのと同じように、一人ひとりが意識し声にすれば、看護の現場は変わっていくと信じて… 私は1人でも多くの方にこの「No Lift Policy」を知ってもらい、オーストラリアで起こったCulture Changing(スピリチュアルチェンジ)が日本の現場にも起こることを願う。


オーストラリアの看護マネージメント

研究の変化を見ていくと、当初1998年ごろは、どれぐらいの腰痛保持者がいてなどの数や費用などが問題されていた。2000年以降の文献で特に 機械を使うことによって、患者さんの自立度が上がってきていることが発表*2され、また、リフトを使うには利用者の教育が必要であるという研究、その後のフォローをどのようにすれば有効か、どのようなサポートプランを作ればいいか、労災の申請の際にどのようなサポートが必要か、または、労災申請時になにか圧力があるかなどの研究*3がなされている。というのも、これだけの労災認定がなされているにも拘わらず、彼女達(ANF)はこの数は本当の数の3分の2程にしかならないはずだという。あとの3分の1はあきらめたり申請をしなかったりしているのよね・・・と、これだけ充実したサポートをもっているオーストラリアですらいまだにそうだという。

そして、オーストラリアのほとんどの病院・施設で新入者へのオリエンテーション時には、Manual Handlingの指導を行い、就職後も年に1度は必ず1人1人に対して技術と知識の再確認を行うという徹底された教育システム&サポートがある。その上、アデレードにあるフリンダース大学病院*4やアッシュフォード病院*5では、新しい情報を得た場合にはOccupational Heath and safety(OH&S)部門のスタッフが必ず病棟に使用方法や改善方法を指導することになっている。

**Occupational Heath and safety:労働者の安全衛生を守る(OH&S)法律によって病院にも労働者を守る部署が備わっている。日本も労働安全衛生法の中に衛生管理者の選任項目はある。

*2
Lnga-Lill Engkvist.2006.Evalutation of an intervention comprising a No Lifting Policy in Australaian Hospitalas, Ergonomics 37.pp.141-148.

*3
Jean E Cromie, ValmaJ Robretson, MargaretO best, 2003. Physical therapists who claimed workers’ compensation; qualitative study. Physical therapy, 83.12.December. pp.1080-1089.

*4
フリンダース大学病院 (最終参照2007.4.4) http://www.flinders.edu.au/

*5
アッシュフォード病院 (最終参照2007.4.4) http://www.acha.org.au/ashford.htm